Feb 23, 2009

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 東日本大震災から1カ月半で東京―仙台間の復旧を果たした東北新幹線。大型連休初日の29日には、全線再開を迎える予定だ。ヒト、モノの集中投入で早期の再開を達成し、東北の玄関口の仙台駅を中心に在来線網もほぼ復活した。一方で、津波被害を受けた沿岸路線の復旧のめどは立っていない。

◎東北新幹線/宮城中心に設備被害1750ヵ所
作業員3000人を投入/GW前を達成

 マグニチュード(M)9.0の大地震は、東北新幹線を直撃した。高架橋やトンネルの崩落といった致命的なダメージこそなかったものの、余震と合わせ1750カ所という膨大な設備被害が生じ、復旧作業を手間取らせた。
 3月11日の本震で、東北新幹線では、仙台―古川間で最大となる地震速度85.4カインが記録された。運行停止基準18カインの5倍近く。数字が示すように、被害は最大震度を記録した宮城県周辺に多く見られた。
 最も多かったのが電化柱の損傷。折れたり、傾いたりした電化柱は、被害全体の半数に当たる約810カ所に上った。
 3月中旬の時点で「少なくとも1カ月以上はかかる」(宮下直人JR東日本常務)と見込まれた全線再開だったが、そこからほぼ1カ月で成し遂げた。作業員の大量投入が日程の前倒しを可能にした。
 当初、JR東日本は約3500人を新幹線と在来線の復旧工事に投入した。が、「4月下旬」という全線再開目標を打ち出した3月末には、約8500人に増やし、うち約3000人を新幹線工事に送り込んだ。
 「『どこかだけ』でできる仕事じゃない」(JR東日本仙台支社)という総掛かりの工事。同社のグループ会社に加え、JR東海や西日本からの応援も受けた。
 一方、「再開優先」の方針が結果的にスケジュールを早めた側面もあるようだ。
 被害が多かった那須塩原―盛岡間では、全線再開後も一部で徐行運転が続き、東京―新青森間で通常より約1時間遅れる。徐行前提の暫定ダイヤは「設備状況確認のため」(JR東日本)の措置だが、「慣らし運転」を再開後に組み入れ、大型連休初日の全線再開を実現させた格好だ。(大場隆由)

◎在来線/駅舎・レール喪失の沿岸4線
ルート変更も検討/仙台圏ほぼ開通

 在来線の復旧も文字通り「人海戦術」だった。貨物路線で、東北の物流の大動脈にもなっているJR東北線も、21日に全線が再開するまで懸命の復旧作業が続いた。
 仙台市宮城野区の岩切駅では再開予定日を目前に控えても、1日当たり最大約150人の作業員が投入され、作業に追われた。特に宮城野区で震度6強を記録した7日の余震の影響が大きく、折れた電化柱や線路の陥没、ホームの亀裂などの修復が続けられた。
 JR東日本仙台支社管内では、ピーク時で約2800人が復旧工事に従事。うち約1000人が東北線をはじめとする在来線の工事に回った。
 昼夜を問わない現場作業の結果、23日の仙山線の全線開通で、仙台圏を中心にほぼ再開可能な路線については復旧を終えた。一方で、津波被害で駅舎やレールを失った沿岸部の路線は、復旧作業さえままならない。
 宮城県内を走る路線では、仙石、石巻、気仙沼、常磐の4線が未通区間を抱える。仙石線高城町―石巻間(24.7キロ)、石巻線石巻―女川間(17.0キロ)、気仙沼線柳津―気仙沼間(55.3キロ)、常磐線四ツ倉―亘理間(115.4キロ)については、再開のめどが全く立っていない。
 仙台支社は「ルート変更も含めて検討する」とするものの、具体的なプランは未定。「そのまま早期復旧を」「既存ルートでは危険」と住民の考えもまちまち。路線再開には、かなりの時間を要しそうだ。(松田佐世子)

◎新幹線ホーム/天井配線むき出し
応急措置で売店92店営業再開

 震災で大きな被害を受けたJR仙台駅の新幹線ホームも応急復旧を果たし、25日から利用できるようになった。
 3月11日の本震では、300メートルにわたって張られていた天井板が剥がれ、落下した。けが人は出なかったものの、復旧工事では余震での落下の危険性に配慮、残った部分も含め全て撤去した。
 天井の配線などはむき出しのままで、天井板の張り付け工事はあらためて予算を組んで行うという。
 仙台駅構内には依然として、復旧工事に伴う立ち入り禁止区域が残る。階段2カ所と、3階北側の「すし通り」周辺の計3カ所。外壁の安全確認のため、駅舎を覆うシートも5月中は現状を維持する。
 駅構内の売店や土産物店計102店中、「すし通り」の店舗などを除く92店は25日までに営業を再開した。JR東日本仙台支社は「列車再開を優先したため、構内の復旧は応急的なもの。夜間中心に作業を進め、完全復旧したい」と話している。
(橋本智子)

◎新幹線と主なJR在来線の復旧の歩み

【3月11日】
14:46ごろ、宮城県北部で震度7の地震。JR東日本管内の新幹線運休。宮城県内全域の在来線も運転をストップ
【15日】
東北新幹線東京―那須塩原間が再開
【18日】
秋田新幹線秋田―盛岡間が再開
【22日】
東北新幹線盛岡―新青森間が再開
【28日】
仙石線あおば通―小鶴新田間が再開
【31日】
山形新幹線福島―新庄間が再開
東北線仙台―岩切間が再開
【4月1日】
大船渡線一ノ関―気仙沼間が再開
【3日】
東北線岩沼―仙台間が再開
陸羽東線が全線復旧
【4日】
仙山線仙台―愛子間が再開
【5日】
東北線岩切―松島間、岩切―利府間、本宮―福島間の3区間が再開
【6日】
釜石線が全線復旧
東北線花泉―一ノ関間が再開
【7日】
東北新幹線一ノ関―盛岡間が再開
東北線福島―岩沼間が再開
23:32ごろ 宮城県北部と中部で震度6強の地震。運転を再開していた東北新幹線の一ノ関以北、宮城県内の在来線は再び全線運転休止
【12日】
東北新幹線那須塩原―福島間が再開
山形新幹線が全線復旧
東北線福島―仙台間が再開
常磐線仙台―亘理間が再開
【13日】
東北新幹線盛岡―新青森間が再開
仙山線山寺―山形間が再開
【14日】
仙山線仙台―愛子間が再開
【15日】
仙石線あおば通―小鶴新田間が再開
磐越東線が全線復旧
【16日】
陸羽東線が全線復旧
【17日】
石巻線小牛田―前谷地間が再開
【19日】
仙石線小鶴新田―東塩釜間が再開
【21日】
東北線仙台―一ノ関間、岩切―利府間が再開し、東北線が全線復旧
【23日】
東北新幹線一ノ関―盛岡間が再開
仙山線が全線復旧
【25日】
東北新幹線福島―仙台間が再開
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