Aug 26, 2009

北海道の屋根の水漏れ

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 愛情はいつしか憎しみに変貌し、憎しみは殺意にエスカレートした−。神戸市西区の神戸学院大学で5月17日、女子大生(21)と、通報で駆けつけた警察官が男に刺され重傷を負った事件。兵庫県警に逮捕された埼玉県鳩ケ谷市の無職、伊崎義晃被告(25)=殺人未遂罪などで起訴=は、女子大生に執拗に復縁を迫っていたストーカーだった。女子大生の相談を受けていた県警は伊崎被告に警告を与え、大学側も対策を講じていたが、伊崎被告の暴走を止めることはできなかった。

 ●キャンパス内の襲撃

 「もしもし、何かありましたか」

 5月17日午後、女子大生の携帯電話から110番通報を受けた県警の通信指令課員はこう問いかけた。応答を待ったが、もめている男女の会話が聞こえただけで通信は途切れた。

 女子大生は約1カ月前、ストーカー被害者からの通報を県警が確認できる「110番通報登録制度」に登録していた。このため、通信指令課員は女子大生に緊急事態が起きたことを察知し、すぐにコールバック。しかし、女子大生の携帯電話はつながらず、神戸西署に現場急行するよう指示を出した。

 駆けつけた神戸西署員は指示から約5分後に神戸学院大に到着。当時、キャンパス内は3限目終了後の休憩時間で、多くの学生らが行き交っていた。署員が探していたところ、女子大生が「(通報したのは)私です」と手を挙げながら姿を見せた。

 特に変わった様子はなく、署員らが女子大生を保護しようとしたとき、背後から包丁を持った伊崎被告が興奮した形相で突進、脇腹付近を刺された女子大生は、その場に崩れ落ちた。取り押さえようとした署員は、伊崎被告が抵抗して振り回した包丁が膝上に直撃して負傷。女子大生は約2カ月の重傷を負った。

 逮捕された伊崎被告は、「婚約を破棄され、そのせいで仕事もやめることになった。(女子大生に)話も拒否され、警察まで呼ばれたので刺した」と供述。

 その後は「包丁は脅すつもりだった」などと殺意を否認するような供述もしていたが、用意していた凶器は柳刃包丁(刃渡り約24センチ)と出刃包丁(同約14センチ)の2本。神戸市内のホームセンターで事前に購入してカバンに隠し持っており、殺意を募らせていたことをうかがわせていた。

 ●変装で警戒すり抜け

 伊崎被告は神戸学院大を今春卒業。在学中の昨年春ごろ、後輩の女子大生と交際を始めた。しかし今年3月に女子大生から別れ話を切り出された。結局、交際は終わったものの、その後も繰り返し復縁を求めてきたという。

 伊崎被告の行為が一線を越えたのは、4月16日夜。女子大生の自宅近くで待ち伏せし、用意していたレンタカーで連れ出した。このときも復縁を断られた伊崎被告は車内でネクタイを使って女子大生の首を絞める暴行を加え、ホテルの1室で監禁状態にしたという。さらに、伊崎被告は翌日、神戸学院大のトイレで首つり自殺を図り、警備員に発見される騒動を起こしていた。

 自殺未遂騒動を知った女子大生は、県警に相談。県警はメールアドレスと電話番号の変更のほか、110番通報登録制度の利用などをアドバイス。北九州市の伊崎被告の実家に連絡し、ストーカー行為をやめるよう指導を求めた。伊崎被告に「ストーカー行為をしないと約束する」と誓約書も書かせていた。

 大学にも事情を説明し、女子学生が希望する場合、警備員が学内で教室内まで護衛するエスコートサービスを始めた。また、警備員室に伊崎被告の顔写真を張って厳重に警戒していた。ところが、伊崎被告は女子大生らを刺した当日、帽子やメガネを使って変装。警備員室の警戒をすり抜けていた。そして、女子大生の講義が終わるのを駐輪場で息を潜めて待ち伏せした。

 ●未然防止の難しさ

 伊崎被告は、犯行の約1カ月前に首を絞める暴行を女子大生に加えていることなどから、県警は「凶悪化するストーカーの典型的なケース」と判断。それだけに、女子大生の相談を受けた県警は、過去のストーカー事件の教訓から導入された110番通報登録制度の活用を勧めるなど、具体的な対策に乗り出した。

 同制度はストーカーやドメスティックバイオレンス(DV)などの相談者の携帯電話や自宅の電話番号を通信指令システムに登録。通報時に名乗らなくても通信指令のモニター画面に自宅の地図や名前、ストーカー被害者であることを表示することができる仕組み。衛星利用測位システム(GPS)機能で通報者の所在地を特定でき、緊急事態にも迅速に対応できる。

 無言電話の通報者を特定できることから、重大事件を未然に防いだケースもある。平成21年7月には、神戸市内で女性が男に車で連れ去られた際、女性が無言で110番につなぎ続けたため、県警が位置を確認し、2時間半後に無事保護することができた。

 伊崎被告に学内で待ち伏せされた女子大生も通信指令課員の呼びかけに応答することはできなかったが、110番通報したことで県警が緊急事態を把握。通報から38秒後には重大事件を周辺警察署に知らせる緊急配備を指示していた。

 大学との連携も図り、伊崎被告が大学で確認された場合などは県警と情報を共有し、女子大生と接触させない対策を徹底していた中で起きた凶行。二重三重の包囲網が突破された今回の事件は、改めてストーカー犯罪の未然防止の難しさを浮き彫りにした。

 県警幹部は「女子大生が命を落としかねない結果になったのは残念だが、ストーカーがどこまで凶悪化するか予測するのは困難なのが現状だ。あらゆる手を尽くして再発防止を図るしかない」と話している。

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Posted at 06:26 in Woman | WriteBacks (0) | Edit
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